以前にこのサイトで紹介した光輝誕生プロジェクト綴った
コラムを1つにまとめました。
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2009年春「光輝」プロジェクトがスタートしました。
きっかけは増永不朽の名作(?)Custom-72です。これは1970年代から現在まで約40年間続くベストセラー商品です。そのCustom-72が最近のヴィンテージフォルム人気の影響でファッションアイテムとして注目されるようになったからでした。

増永には100年以上に渡り受け継がれてきた技、商品、資料がたくさんあるのだから、+(プラス)ファッションの要素を取り入れ、かっこいい、そしてこだわりの眼鏡をつくろう!!っと。

光輝は
「伝える」・・・精神・ものづくりの姿勢、技
「よろこび」・・・つくる、持つよろこび
「かっこいい」・・・デザイン、ブランド
をコンセプトに掲げています。
伝える精神、姿勢とは全てのブランドに共通しますが品質第一の姿勢。
伝える技とはこれまで継承してきたもの、現代の技術をプラスしたもの、
さらには変えていくものであり、そしてこれからへと伝えるもの。
そしてブランド名。
見てかっこよく、響きとしてもなじみがあるブランドってなんだろう??と考えた結果、
このプロジェクトを始めるきっかけがCustom-72であるし、
明治~現在まで使い続けている名前だし、これからも伝えていかなくてはいけないブランドだ!
ということで明治から昭和初期まで使っていた「光輝」にたどり着きました。
今回当時使用していた正確なロゴが残っていなかったので、
新しく社長に「増永眼鏡 光輝」を書いてもらいました。
なんだかその文字を見ると身が引き締まる思いがし、
「よし!!このプロジェクトを成功させるぞ!」
とますます楽しみになっている今日この頃です。

ブランドロゴに加え「かっこいい」が必要なのがデザインです。
過去の資料や眼鏡をただリバイバルするのではなく、
現代に受け入れられるものにしなくてはいけない。ではそれは何なのか???
それは数ミリの線の違い、厚み、深さ、飾り、大きさ、掛け易さ、バランス様々です。
最終的に5型が決定するまでに何百枚ものデザイン画がならび約1ヶ月を要しました。

しかしデザインが決定してOKではありません。
このデザインを形にするのが一番重要なのです。
第2章では、光輝が完成するまでの工程を紹介していきます。
プラスチック生地
光輝用の生地です。イタリアのMazzucchelli社製でどれも色が綺麗で完成が楽しみです。
材料は結構大きいですね。大きいものは畳1枚ほどの大きさになります。
材料の段階では、光沢がありませんが磨くことで光沢になります。

プラスチック生地のカット
レーザーを使ってプラスチックの材料をフロント、テンプル用に素早く・無駄なくカットしていきます。

テンプル工程 『芯貼り』
レーザーでカットした材料をさらに2つに割ります。
金型に生地を入れます。

メタル芯を生地の間に挟みます。

特殊な溶剤を塗って、生地同士を熱と圧力で接着し冷却します。

このようにメタル芯を生地で挟み込み貼り合わせするため、この工程は『芯貼り』と呼ばれています。

技術・ノウハウが必要とされる工程で、現在では『芯貼り』ができる工場はほとんどありません。
テンプル工程 『外形削り』
芯貼り工程後、テンプルの形状を削りだしていきます。
メタル芯を中心(基準)にして削っていきます。

テンプル工程 『裏削り』
外形を削った後、テンプルの厚みを削っていきます。


テンプル工程 『きさげがけ』
熟練した職人の手によって機械削りでフラットになった面を削り、丸みをつけていきます。
ここで丸みをつけることで掛け心地が向上します。
この工程を『きさげがけ』と呼んでいます。

この後、磨き・ガラ入れの工程に入り、テンプルパーツが完成します。
(磨き・ガラ入れ工程はフロント工程時に説明します)
フロント工程 『山曲げ』
レーザーでフロント用にカットした材料を金型を使い、熱と圧力でカーブをつけ、山(メタルでいうブリッジ)の形状をだします。 この工程を『山曲げ』と呼びます。


フロント工程 『内径・外径・裏削り』
山曲げ後、フロント削りにはいります。内径→外径→裏削りの順に進みます。
材料をしっかり掴み位置決めをしないと中心がずれた形状が出来てしまいます。

(内径削り)

(外径削り)
(裏削り)
フロント工程 『蝶貼り』
フロント形状が出来たら次は蝶(パッド)貼りをします。溶剤を使って蝶をフロントに貼っていきます。この工程は熟練した職人が手作業で行います。 貼る高さや角度など左右のバランスをとるのが難しい作業です。条件が悪いとすぐにパッドがとれてしまいます。

工程 『バレル研磨』
フロント蝶貼り後、バレル研磨工程に入ります。
粗ガラ→中粗→中仕上げ→仕上げのおよそ4段階の順にバレル研磨していきます。
最初に大きな傷をおとして形状に丸みをだし、徐々に光沢をだしていきます。
光沢をだすためには様々な条件があります。

バレル研磨の途中に職人の手で泥磨きをします。これは、バレル研磨ではおちない傷や表面の荒れをなくすために行います。
職人の手によって磨かれることで、仕上がったときに表面が一定した美しい光沢が生まれます。

泥磨き後、バレル研磨を再開して光沢がでたパーツが完成します。

バレル研磨後、フロント・テンプルパーツが完成し、ようやくフロントとテンプルを組み合わせて枠にする工程へ進みます。
組立工程 『テンプル加工』
バレル研磨後、テンプルに丁番を入れる部分を座彫りします。
丁番とは、フロントとテンプルをつなぐための部品です。

座彫りした後丁番をセットし穴をあけます。

ピンがついた銀飾りをエキセンと呼ばれる道具で圧力をかけてテンプルに入れます。

銀飾りをテンプルに入れた後、テンプルの裏からピンを潰して丁番をかしめます。

丁番をかしめた後は、フロントとの接合部(合口)をカットして、テンプルの加工が終わります。
合口カットがうまくできていないとフロントと組み合わせた時に、接合部に隙間ができ、フロントとテンプルが合っていない(合口ではない)フレームになってしまいます。
組立工程 『フロント加工』
フロントにテンプルをつなぐための丁番を熱と圧力により埋め込みます。
この条件や冷却のタイミングが悪いと丁番がぐらついたり、泡が入ってしまいます。

次にフロント飾りを熱をかけて埋め込みます。
フロントやテンプルに施された銀飾りは、1970年代に使用していた飾りを再現しています。


組立工程 『枠組立』
フロントの合口部をテンプル同様にカットし、テンプルを組んでネジを締め枠にします。

フロントとテンプルを組んだ時にできる段差を職人がヤスリをかけて均一にします。

ヤスリをかけた面に傷がつくため、泥バフ磨きで傷を落とし仕上げバフで光沢をだします。


職人の手により均一な美しいフォルムが生まれます。
いよいよ次回は最終工程に入ります。
仕上げ工程
最終工程に入りました!!
組立られたフレームのテンプルを曲げます。
ヒーターでテンプルを温め、手作業で曲げていきます。


モダン曲げ後、洗浄し『増永眼鏡 光輝』の銘を箔押しします。
光輝は明治から昭和初期まで使っていたロゴです。弊社代表取締役 増永悟の手によって甦りました。

レンズを入れ、職人の目・手によってフレームのバランスを調整し、ついに『光輝』が完成しました。

さて光輝シリーズ誕生コラム,
私たちの眼鏡作り、増永商品に対する姿勢、精神、技への想いは届きましたでしょうか?
そして皆様にも光輝フレームを持つ喜びを持って頂けましたら幸いです。
これからも新しい時代の新しい「光輝」にどうぞご期待ください。








